オトン~パート3~ [わたくしごと]
いや~~~すっかり秋ですね。
今年の夏はなんだかんだ言って暑くなかったかな??
ところで、オトンの話。
バタバタバタと入院が決まって、とりあえず22:00ということで帰宅することにしたん。
水とお茶とオトンを病室において、
『ほんならオトン帰るね~明日の朝またくるわ~』 と声を掛けるも天井を見上げたオトンは無反応。
『水置いておくし飲んで~ほんなら帰るよ~』
・・・その声もオトンには届かず無反応。
悲しい気持ちと、焦る気持ちと、しっかりしなければという気持ちとが入り交じり、背筋がピンと伸びる。
看護婦さんに宜しくお願いしますと一声かけて病院を後にしたん。
あの時の天をじっとみている弱々しいオトンと、周りでバタバタしている看護婦さんとの時空の歪みは異様で、今でも目に焼き付いている。
病院を出て、実家により、入院セットをカバンにつめて冷蔵庫の中にあったシュークリームを夫と食べた。
入院セットを用意している間も、無駄に喋りながら準備を進めた。
全然段取りが悪くて、同じところを行ったり来たりしていた。
自宅に着いたのは23:30。
シャワーを浴びて床についた。
なかなか眠れないかと思ったが、スっと眠りにつくことができた。
良かった。
朝が来た。
今まで飲んでいた薬を7:30までに病院に持ってきて欲しいと言われていたので、髭を剃っている夫に行ってきますを言って、先に家を出た。
晴れていた。
ナースセンターで薬を渡して病室に行くと、オトンの様子が昨晩と違っていた。
家から来ていった青地のチェックのパジャマから、青地の無地の病院のパジャマになっていた。
『オハヨ~着替えたんやね~、どう?』 と話しかけると、ゆっくり返答が帰ってきた。
『・・・。けさ、よごれて、きがえた・・・・・・・・きがえ、かりた。・・・・・・・あるけんくなった。』
とカタコトな日本語でカスカスな声で。
私は沢山考えて、質問した。
『歩けんって。歩けんってこと?』
アホな質問である。
そんなアホな質問をしていると、朝ごはんがやってきた。
頭の中がハテナのまま、とりあえず持ってきた箸をだす。
寝たままのオトンが起こしてくれというので、自分で起きあがれないことがわかる。
電動のベッドを起き上がらせると体が真っ直ぐじゃなかったらしく傾いている。
それを自分で直せないらしい。
私が病室に到着して5分弱で意味不明な状況が次々に目に飛び込んできて、私はそれをただ見ていた。
傾いたまま御飯を食べるオトンは左手を使おうとしない。
箸で掴んだものを口に運ぶまでにポロポロ落とす。
私は、
特に何も聞かずにスプーンを出してタオルを首に巻いた。
そして、
『入院セットいろいろ足りんの取りに行ってくるわ!婆ちゃんのお見舞いも行ってくるし、昼過ぎにまた来るね!』
と言って病室をでた。
オトンは 『おう。』 とだけ返事をした。
私はとても食事が終わるまで見てはいられなかった。
涙を堪えて病院の廊下を歩いた。
続きはまた今度。
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